理想のマイホームを実現させたいなら建売住宅よりは注文住宅の方が、成功する確率が高いのは確かです。他方で一生に一度の大きな買い物のマイホーム建築で、完成後入居してみると色々な想定外の不具合が発覚して後悔することも珍しくありません。おしゃれで満足度の高い注文住宅を実現するには、どのような点を考慮するべきなのでしょうか。
逆説的なことですが、おしゃれな家づくりに成功するには、失敗事例を反面教師として押さえておくことです。一番典型的なのは、家の形状や外見や間取りなどにこだわりが強すぎて予算超過の見積もりになってしまうケースです。第一印象をおしゃれにするために外壁の素材や出窓を多く設置するなどして、原材料も工賃も嵩んでしまうという事例があります。逆に予算枠内に収めるために、妥協した点で失敗するケースもあります。とにかく間取りに開放感を持たせたいことを優先して設備面で妥協した結果、空調費が嵩む家に仕上がってしまった、と言う事例を挙げることが出来ます。あるいは住み心地の良さを最優先にして水回りなどは最新の設備にしたものの、外観を二の次にして外壁にはリーズナブルな素材を選択してみすぼらしい第一印象になってしまう、というのも妥協が仇になって後悔するケースです。
家づくりで失敗してしまうのは、そもそもいい家についての認識が誤っているからかもしれません。基本的にマイホームは基本性能が高いことが要求されます。しかし基本性能が高いだけではまだ不十分で、気分的に安らぐことが出来る空間であって、最終的に住人の価値観と合致するような仕上がりである必要があるからです。基本性能と心身が安らげる場所であること、この両面を意識して家づくりに臨むことがポイントで、広い第一印象を持てるようにするためには間取りで工夫しつつも、個々のパーツが全体として統一感を取れること、などはバランスの取れた家づくりのひとつのプランです。
ただ理想の青写真を描くことが出来ても、実際に建築に携わるのはハウスメーカーであったり工務店であったりします。そこで注文住宅で成功するためには、実績が豊富な会社などを選ぶことが重要です。実績が豊富であれば施主の意向を実現するためのノウハウや技術力の蓄積もあり、対応力にも優れているからです。そして重要なのは依頼者に寄り添った姿勢で、希望実現のために真摯に尽力してくれる会社か否かです。おすすめの設備やデザインを押し付けてくるようでは、住人の満足度が高い家づくりは困難といえます。